2005年12月17日

舞台本番でのミスについて

今日、大学時代に入っていた音楽サークルの定期演奏会に行ってきました。

自分が現役でやっていた頃は、かなり部員が少なくて、一時期は廃部か?
という心配もされた程でした。

それが今は、部員の人たちの新勧の努力のお陰か、盛り返して大所帯です。
定演を観に行って、驚きました。
4年生だけで、30人近くいるんだから。
盛況になったものだと思います。

クラリネットも、多い時は5人舞台に乗っていて、大きな音もたっぷり出ていて、
音量の調整には困らない感じでした。
演奏の方も、皆さん粒揃いで、音が柔らかくて、高音も優しく出ていて、余裕を
持って吹いている感じでしたね。
マンドリンオーケストラなので、本来はマンドリンを中心に演奏を聞くべきなのかも
しれないですが、自分はクラリネットをやっているから、クラリネットの音ばっかり
聞いてしまいました。
で、これは負けられないな、と刺激を受けて帰ってきました。

柔らかくて優しくて、気持ちの良い音を出す(特に高音で)、というのは最近ひしひし
と感じている課題なのですが、それよりもまず、一番の課題は、舞台本番で間違え
ない、ミスしない、ということです。

今日の定演の話題からは逸れますが、今、スケートで女子選手が熱いですね。
3人の人が競っているらしいとか。
で、「ここはノーミスで優勝を狙っていきたいですね」と言ったり言われたりしています。

オリンピックを目指すくらいの人たちだから、ミスなんてしないんじゃないの、と素人
だから単純に考えてしまうのですが、逆に言えば、世界一を狙う人もミスしてしまう
くらい、難しいことをしているんでしょうね。(スケートに限らずだと思いますが)。

その人その人の実力に応じて限界ギリギリの水準がある、ということでしょうか。

音楽の場合はどうか、と考えると、プロとして活躍している人でも、舞台本番で
ミスすることはありますね。生演奏を聞いていると、金管の人が音を外したりし
ているのを聞いた事があります。

スケートのように、誰かが4回転ジャンプに成功すればさらに世界レベルが上が
っていく、というようなことは、クラシック音楽の世界に置き換えて考えると、あまり
無いような気がします。
現代音楽はおいておいて、古典と言われる音楽があり、原曲となるスコアがあり、
この曲ではこう吹く(特に運指)、ということが大きく変動しないクラシック音楽の
世界において、極端な話、同じ曲を何度も繰返し舞台で経験していけば、ミスは
だんだん減っていくような気がします(もちろん練習時間も積み重なっていくこと
が前提で)。

だから、プロの人は、音楽に触れる時間がアマチュアよりもおそらく圧倒的に
長い分、ミスはしにくくなるのが自然だろう、と思います。

でも、以前、プロで数多く舞台をこなしてきていても、毎回、舞台前になるとすご
く緊張する、という人の話を聞いた事があります。
プロなら、もう舞台慣れしていて、あとは曲に入り込むだけ、深く考えなくても、
気持ちのままに、指が勝手に動く程なんだろう、と思っていただけに、意外で
した。
もちろん指は滑らかに完璧に動くように鍛えられているのだろうし、アマチュア
のレベルとは比べ物にならないくらいの演奏力だと思います。

それでも時にはミスすることもあるんだな、と思います。
いや、単純な音ミスとかじゃなくて、表現力とか聴衆への聞かせ方のレベルでの
ミス、ということかもしれません。

自分のミスといえば、リードミスしてしまったり、音を間違えてしまったり、
指がうまく動かなかったり、緊張のあまり落ちてしまったり、という、しっかり
練習していれば避けられるような、基本的なミスが定番なのですが、プロの
人は、どういうミスが多いんでしょうか。どういうことで、緊張するんですかね。
プロの人の心境が知りたいです。

ノーミスで本番を終えられたことってあるかな、と、過去の演奏会を振り返って
みたのですが、はっきりとしたミスはしてなくても、ヒヤヒヤしながら吹いていたり、
難しいところは小さく吹いていたり、吹けたようでも指がすごく転んでいたり、はし
っていたり、他の楽器とずれていたり、リードミスや、落ちたり、入るタイミング間違
えたりと、毎回必ずどこかでやっちゃってる気がします。

ミスしないことだけが重要、というわけでは無いとも思いますし、ミスをどのレベルで
捉えるか(音ミスか、表現の仕方まで含めるか)、と考え出すと、話が複雑になって
きますが、単純に音を間違えずに吹けて、その上さらに表現力豊かな演奏、という
のをしたいものです。

ということを、今、10月10日の時のアマデイマンドリンオーケストラでの自分の演奏を
聞きながら、つらつら考えてみました。

次の演奏会は、ノーミスの気合でいきたいです。

投稿者 konkiti : 01:10 | コメント (0) | トラックバック