2006年02月21日

南仏プロヴァンスの風景(3)~「プロヴァンス組曲Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ」

こんばんは。今日は雨でした・・・やっぱり外は寒かった・・・
そして、先日の国土先生練習時の録音を聞いております・・・
アルルの女、繰返し出てくるテーマの8分や16分の踏み込みがやはり難しいですね・・・
もうそろそろ、と思っても、あと一歩、大胆に踏み込む勇気が必要、そういう感覚です。

今回の未完成の選曲、去年の年末くらいまでは、「ドリー」が一番繊細さが必要で、アラが目立ち易いので難しい、
そう思っていたのですが、「アルルの女」がここへ来て自分の中で急浮上中です。
旋律が美しい反面、テンポ感をしっかり保っていないと、際立たない曲ですね。気を抜けません。

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で、今日は、昨日の続きです。
だんだん息切れしそうになってきたので、スタミナ温存するために、短めにいきます。


Ⅲ「Joueurs de boules」=球遊びをする人々
球遊び、日本で言えば、サッカーとか野球がパッと思い浮かびますが、
プロヴァンスでは、球遊びといえば、おそらく地元発祥のボール遊び「ペタンク(Petanque)」でしょう。
昨日の記事でも少し触れましたが、プロヴァンスの人々(主にオヤジたち)が街の広場でよくやる遊びです。
ハンドボールとゲートボールとビリヤードの中間のようなゲームで、
銀色の、直径10cm弱、重さ1~2Kgの金属球を手で投げて、目標とするボールに近づけ、相手のボールを弾き飛ばしたりするそうです。
重さ的に、結構重いですよね・・・投げるっていっても、「ボトッ」って音がしそう。
それでも、6m~10mくらい先にボールを飛ばすっていうことだから、スピードは出てるのかもしれません。身体に当たると痛そう。
やってるオヤジたちの様子は、↓のサイトでちょっと写真が載っています。
http://www.asahi-net.or.jp/~mg3h-okmr/01st/01what.htm
http://www2t.biglobe.ne.jp/~provence/provence/life/pleasure/plesure.html


また絵で見るとこんなカンジ↓
http://www.stormfinearts.com/images/gallery_b/g-raverat/g-raverat_08.html

グーグルイメージ検索ではこんなカンジ↓
http://images.google.com/images?q=Joueurs+de+boules&hl=ja&btnG=
(以上2月24日加筆)

私、この曲が「プロヴァンス組曲」の中で一番好きな曲なんですが、
このペタンクなるものを知るまで、曲から全然違う情景をイメージしていました。
なんかこう、チンドン騒ぎしてて、身軽な人がバク転(クラリネットが入るとこで)とかしてるイメージ・・・
でも、いずれにせよ、愉快で楽しげであることに変わりはありません。
ペタンクに対する地元民の思い入れはかなりのものらしく、人それぞれ、ペタンクの戦略に対して自論を持っているそうです。時には自論のぶつかり合いでケンカしたりとか。
日本のサッカーとか野球ファンと変わらないくらいの思い入れっぷりなのかもしれません。
広場でペタンクが始まると、だんだん周りにギャラリーが集まってきて、応援したりとか、ヤジをとばしたりとか、するそうです。
でもゲーム自体はゆるやかに進行していくものなので、面白おかしくのんびり観戦、ってところなのでしょう。


Ⅳ「Pecheurs」=漁師
前の記事で書いた、私がしばらくの間「猟師」だと思い込んでた、っていう、あの曲です。
生命力に溢れた漁の様子が描かれているのではと思います。

最初の装飾音符で始まる3拍子、私が思うに、
網にかかった大量の魚たちがピチピチ飛び跳ねてる様子じゃないかと思うのですが・・・
とーれとれ ピーチピチ カニ料理ー ってフレーズがつい思い浮かんでしまいますが、
そう思うと、ちょっと滑稽だったり。
(しかし、なんでカニがピチピチなのか、冷静に考えるとちょっと不思議。本題と無関係ですが)
(↑注:後でCD演奏を聞きなおしてみると、装飾音符はそれほど目立って聴こえないので、
ピチピチ感っていうのは違うかもしれません。適当に書くものじゃないですね・・・)

Ⅴ「Chasseurs」=狩人
海かと思えば、今度は陸ですね。
前半は、ひたすら単調なフレーズに段階的にいろいろなメロディーが加わり、またなくなっていく、そういう構成ですね。
指揮者の人も、練習の時に確か言っていたと思いますが、
まるで、狩人が、鉄砲をかついでエッサホイサと歩いていく、その道中で、いろんな風景を通り過ぎ、いろんな人々とすれ違い、また一人、エッサホイサと淡々と歩き続ける、そういうイメージが思い浮かびます。
オーケストラではそのフレーズは金管のくぐもった音で表現されていますね。
そして、後半は一転、さわやかーな曲調になりますね。
獲物を仕留めたのか、何か達成感を感じるような部分です。
それとも、取れた獲物に、日々の糧となってくれたことを感謝しているのか。

プロヴァンスで狩りと言えば何なのか、と思いましたが、
クマとか鹿とか、そういう大物ではなくて、鳥を獲物にすることが多いようです。
でも曲としては、勇ましい感じのイメージで、大物っぽい匂いも漂うのですけれど、
ここでは一体何の狩人なんでしょうか。
そういえば、「アルルの女」でも、カマルグ平野でシギ狩りの情景が一瞬出てくるんですよね。
時間の制約上、ナレーションには入れられませんでしたが。


Ⅵ「Vendanges」=ブドウの収穫期(2月24日タイトル小修正)
フランスと言えばワイン。そしてブドウ。
ブドウの収穫は、プロヴァンスにとっても一大行事なはずです。
この曲は、また変わったリズムを基調にして、いろいろなメロディーが入れ替わり立ち替わりしていきます。
ワインの味と同じく、なかなか渋い(?)曲調になっております。
ブドウの収穫祭ってどういう感じなんだろう。
そう思っていましたら、F谷さんからまた情報提供いただきました。

ぶどうの収穫は秋、8月末から10月くらいに、親戚家族総出でハサミを片手に手で摘みます。
現在も手作業で行われているそうです。大変です。
収穫したぶどうはワインを作るため、すぐに果汁を絞ります。圧搾機で絞ったりしま
すが、昔は収穫したぶどうを大きなカゴにいれ、更に大きな樽に移し入れて、男性や
女性が歌を歌ったりしながら裸足で踏み踏みします。
大変な作業でしょうが、自然の恵みを謳歌する活気のある季節です。

結構根気と力のいる作業のようですね・・・
裸足で踏んで果汁を絞るのか・・・そう思うと、曲のリズムが、なんだか足踏みしている
リズムにも聴こえてくるような・・・
収穫祭っていうと、飲めや歌えの大騒ぎとか単純な自分はすぐ想像してしまうのですが、
収穫祭の前には、必ず額に汗かく肉体労働があるんですね。
でもその分、作業が終わった後のお祭りは、解放感溢れるものになりそうです。
一度見に(×飲みに)行ってみたいなあ。

というわけで、残り2曲、は、明日に回したいと思います。

投稿者 konkiti : 2006年02月21日 00:49
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