2006年02月18日

南仏プロヴァンスの風景(1)~写真に見る「アルルの女」~

さむっ!今日は寒すぎです。コタツに足を入れた途端、まるでコタツの中で霊が身を潜めて待ち構えていたかのように足首からズルズルと飲み込まれ、首だけ出したままそのまま抜け出せません。
だって、今日雪ふってましたよ。
この前は暖かかったのに、だまされたっ・・・

さて、本番で使う「アルルの女」ナレーション台本が、今日ようやく、ほぼ完成形として、出来上がってきました。
去年の年末から、今日まで、「『アルルの女』演出メンバー」で話を詰めてきた甲斐があったというものです。
舞台の時間制約上、また劇音楽から選んできた曲の関係上、仕方なく情報を削ったところや、情報を削ったことによる表現の矛盾などがあり、修正を重ねてきたのですが、
明日の練習でようやく、日の目を見れることになります。
「アルルの女」の曲自体は有名でも、物語はほとんど知られていませんよね。
明日の練習で、団員の人たちのイメージがより豊かになれば、と願います。

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さて、演奏会まで、あと1週間とちょっとですね。
明日も練習ですが、だんだん気合の入ってくる頃だと思います。
今回の演奏会でやる曲は、3曲とも雰囲気が全く異なり、フランスのいろんな顔を見る事ができます。

といっても、実は私、島国イギリス以外はヨーロッパに降り立った事が無く、
せいぜいテレビを見てイメージするくらいです。
「フランスってスペインの上でしょ?」
くらいの知識しか持ち合わせておりません。
つい先日も、「オーストラリア」と「オーストリア」を呼び間違えた人間ですから・・・・

だから、こんな人間がフランスを勝手にイメージしちゃいかんだろう、ということで、
調べてみました。

まずは「アルルの女」編、行ってみたいと思います。

今回は、写真からイメージをつかもう!ってことで、
主な「アルルの女」に出てくる風景を、雰囲気のある写真が載ってるHPを案内しながら、紹介することにします。

まずは、土地勘を養います。
「プロヴァンス 地図」をグーグルでイメージ検索すると、たくさん地図が出てくるんですが、
アルルっていうのは、実はフランス南部、プロヴァンス地方の中の一つの街なのですね。
だから、今回の曲「アルルの女」と「プロヴァンス組曲」は、同じプロヴァンス地方についての音楽なのです。
私は最近知って、驚きました。

ということで、まずは、「アルルの女」の『アルル』から。この写真ページからどうぞ。
アルルのいろんな景色が見れます。
http://france-for-visitors.com/photo-gallery/arles/index.html
これを見ると、結構都会なんですよね。歴史ある景観の建物、広い広場、闘技場、市場。
かと思うと、白い漆喰の壁と、赤茶けた屋根が一面にひしめきあい、特徴的なアルルの町並みがローヌ川沿いに並んでいます。
この街に、アルルの女が住んでいるわけです。

アルルの女は美しいというのは定説のようで、図書館の資料にこんな記述がありました。
『彼女らは美しいばかりでばく、優雅で、気品がある。顔立ちは精巧の極みで、とりわけギリシア型に属し、髪はふつう濃い栗色、目はビロードのように黒い』
彫りの深い、目のくりっとしたオリエンタル系美女の雰囲気がイメージされます。

そして、「アルルの女」の物語は、実はアルルより少し南に行った、「カマルグ平野」が舞台となります。
アルルとカマルグは結構近く、いえ、どれくらい近いかは調べてないですが、観光地のセットとして組まれるくらいです。

このカマルグに、舞台のメインとなる農家のお屋敷があり、平原があるわけです。
カマルグは、一言で言えば湿原です。現在は自然保護区にも指定されているように、フラミンゴや白馬が群れを成して自然のままに住み、その傍らでは、カマルグ米の栽培が行われています。
そして、平原がどのくらい広大か、というと・・・
うーん、実は自分が想像していたほどには広大感のある写真が見つからなくて、
唯一こんな感じかな、と思った写真が載っているHPをリンクさせていただきました。
http://4travel.jp/traveler/adoredune/album/10028959/
あと、カラーだと、こんな感じですね。
http://www.web-provence.com/balades/camargue.htm
良い写真があったら、教えてもらいたいです。

そして、物語の一番の舞台、農家のお屋敷です。
「アルルの女」に出てくる主人公一家の家は、豪農で、その土地の大地主、という設定です。
そして、フランスでは、そういった豪農の建物のことを、「Le Mas(マス)」というそうです。
その写真。
http://www.provenceweb.fr/83/masdaime/index.htm#
HP上部の写真群が、そんな感じです。それぞれクリックすると拡大します。
レンガ造りで鄙びていて、でも決してみすぼらしくはない、頑丈で大きな建物です。
カマルグ平原の中にこういったお屋敷が点在していて、
大地主一家はじめ使用人たちがここに住んでいる感じです。

また、物語最後の舞台となりそうな、雰囲気のあるお屋敷の写真が見つかったので、紹介します。
http://www.immofrance.com/properties/24sel-1327d2277.htm

そして・・・
話は前後しますが、物語のクライマックス。
そこで一番場を盛り上げるのが、ファランドールという村祭りの踊り。
私がうまく調べられないでいると、マンドリンのF谷さんが情報提供してくれました。

ファランドールはフランスの伝統舞踊の一種で、中世舞踊に似ているそうです。
パ(ステップ)は自由で、人々が両手をつなぎ列になって巡回していきます。
時々端の人が、列の途中のつないだ手の間を抜けたり、色々な動きをするようです。
ファランドールの踊りの写真はこちらのサイトを参照下さい:
http://www.pichoto-camargo.asso.fr/traditions/dansechoix.html

なるほど、いろんな陣形?が組み合わされて複雑な踊りのようです。

また、ファランドールを踊る村祭り「聖エロワ祭」の様子については、
『毎年5月から初秋までプロヴァンス地方で繰り広げられる祭りで、麦の穂や花で
飾った馬車や馬、民族衣装の住民が行進する』のだそう。
(注:上記は現在のお祭りの様子です。「アルルの女」作品中の時代当時は、違うかもしれませんが・・)

収穫を感謝するお祭りのようで、プロヴァンス地方の都市のサイトをのぞくと、結構盛大なお祭りだそうです。

というわけで、雰囲気的にはこちらの写真とも近いかもしれません。
http://www.stages-en-provence.com/provence02.htm

踊りながら大通りを人が練り歩いていく感じですね。
狂喜乱舞する、という感じではなさそうですが、地方中で盛り上がってそうですね。

以上です。

結局、とりとめのない文章になってしまいましたが、
舞台の雰囲気が少し伝わっていたら良いなと思います。

また、以上のHPや情報は、私一人で調べたのではなく、ブログの記事にするために、今回F谷さんにかなりご協力いただきました。さすがフランス元在住者です。ありがとうございます。
つづく「プロヴァンス組曲」に関しても、以前と今回F谷さんが情報提供してくださったものをたくさん使う予定です。

さて、というわけで、アルルはこれで終わりにして、次の記事はいよいよ「プロヴァンス組曲」、
行ってみたいと思います。

投稿者 konkiti : 2006年02月18日 00:17
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