2006年09月11日

オネゲル「夏の牧歌」を聴く

「またブログの記事が真っ白になっていました。
でも、真っ白な画面と向き合うというのもたまには良いかもしれませんね。
数年前から「自分ダイアリー」という物を書店で見かけるようになりましたが、
何も書かれていない空間が目の前にあるといつの間にか自分を振り返ってしまう効果があるかもしれません。」
そんな言い訳を考えてみました。

ところで、来年の演奏会でやる曲の一つに、オネゲルの「夏の牧歌」があります。
この曲、聴いている分にはゆったりとして、時折ひらめくような短い旋律が入る以外はそんなに難しくなさそうに思えたのですが、
編曲が上がってきて、譜面を見てみると自分にとってはかなり難しい部類に入る曲だなと現在実感しています。

さらに、この間初めて練習に参加して、他の楽器と合わせてみて、やっぱり難しい曲だと確信しました。

他のパートにとってはどうなのかわかりませんが、個人的には、
・時々入れる短い旋律がかなりの曲者(運指が難しくて速い。FLと合わせるタイミングが難しい)
・縦の線が明快でなく、テンポが揺れるので、他パートとの合わせ方が難しい

と今のところ思っています。
基本的にはゆったりしていて、それぞれのパートがそれぞれでゆらめいているような曲なので、演奏するときのイメージが掴めて無いと、お互い何をやっているかわからないままで終わってしまいそうな感じがしています。
それで、何となく自分の中で位置づけ的にかぶってしまうのが、第2回演奏会でやった「スピットファイア」。
あの曲も、何をやっているのかわからずとうとう本番ま・・(以下略)

それで、とりあえずCDで感じを掴もうと思って聴いてみたんですが、

1.オネゲル:シェークスピアの劇「テンペスト」のための前奏曲/交響詩「夏の牧歌」他
指揮:プラッソン
演奏:トゥールーズ市立o.

2.オネゲル:交響的運動「パシフィック2.3.1」(管弦楽曲集)
指揮:マルティノン(ジャン)
演奏:フランス国立放送局管弦楽団

1つだけ聴いてもテンポの揺れが激しくてよくわからなかったので、もう1つCD聴いてみたら、雰囲気が結構違っていて驚きました。

一言で言えば、前者は物静か、後者は躍動感。
普段CDを聞き比べることってあまりないので、指揮者とオケが違うとこれくらいの違いが出るのか、と思いました。

個人的には、前者の方が「夏の牧歌」という題名から連想するイメージと近い気がするんですけどね。
たとえば、演奏から想像する具体的なイメージとしては、
前者の演奏は、とても静かな牧草地で、羊は2~3匹いるかいないかくらいの少なさで、そよ風が時々吹いて、でも適度にポカポカしていて、気持ちよく昼寝してしまいそうな感じ、そんなパステルカラーのイメージが浮かぶのですが、
後者の演奏は、避暑地の高台で、牧草が青々と茂っていて、時折涼しい風がさっと吹く、そして虫や鳥や動物が活動している、そういうビビッドな生命力に溢れた感じが漂っています。

指揮者やオーケストラの人たちが描くイメージによって、同じ「夏の牧歌」でも違う表現になるんですね・・・
テンポも違います。後者の方がずっと速いです。
音量も違うんですが、これはもしかしたら録音の環境によるものなのかもしれません。
後者の方が全体的に音がくぐもっているというか、丸みがある印象です。

どっちが良いとかいうのは無いんだろうし、両方とも魅力的だなと思います。
それに、他のCDを聴けばまた違う表現の「夏の牧歌」がありそうです。

それにしても、こんな風に聞き比べると、いろんな表現に触れることができて勉強になります。
何気にたくさんCD出てるみたいだし、他にも聴いてみようかな。
もし持ってる方がいたら、交換して聞き比べてみませんか?

投稿者 konkiti : 2006年09月11日 00:48
コメント