2006年05月05日

演奏会、終わりました(モーツァルトってやっぱりすごいです)

演奏会、お疲れ様でした。
自分にとっての「運命の日」、昨日、終わりました。
まずは、出演者の皆様、演奏会お疲れ様でした。
それから、お手伝いをしてくださった方々にもお礼申し上げます。
そして、GWの貴重なお休みの中、青砥まで足を運んでくださり、ご来場くださった方々、ありがとうございました。
本当に、ありがとうございました。

そう、終わったんですね、演奏会・・・。
今回、2部のメインをやらせてもらえるという、一生に一度あるかないか、自分にとっては非常に貴重な幸運に恵まれたわけですが、
その分、つらい部分も、得る部分も、今回の演奏会ではとても大きなものをたくさんもらいました。

つらさでいえば、予想以上の曲の難しさ、またプレッシャーの大きさ、練習のつらさでした。

といっても、練習がつらいって、何時間もの練習とか、口や親指の痛さとか、
そういう体力的・物理的にハードなつらさというよりも、精神的につらい練習という意味です。
ある箇所に来ると指が動かないつらさとか、どうしてもリードミスしてしまうつらさ。
じりじりと少しずつ、解消されてはいったのですが、そのつらさがずっとあって、
本番で出来なかったらどうしよう、間に合うんだろうか、でも落ち着いて練習しなければ
練習にならないっていう、焦りと集中の間を行ったりきたりする、精神的な不安がずっと
ありました。
練習がこんなにつらいっていうのは初めてでした。

でもその問題の原因は100%自分にあって、本当はもっと前々から練習を始めていれば、
精神的なつらさはここまでじゃなかったのではと思うのですが・・・

そして、モーツァルトの曲の難しさが、つらさに拍車をかけてくれました。
以前の記事で、自分は、基礎が出来ていれば美しく聞こえる曲だ、と書いたと思うのですが、基礎力が試される曲の難しさを全然わかっていなかったな、と今になって思います。

基礎が試されるということは、ごまかしがきかないということなんですね・・・
たとえば、クラリネット五重奏の中では、普通に音階をかけあがっていく旋律(その時々で調は違いますが)がしょっちゅう出てきます。旋律が素直なんです。
そうすると、丁寧に音が出ているか、スムーズに指が動いているか、それが明確にわかってしまいます。
これがたとえば今までにやってきた他の曲だと、特徴的なリズムや、ノリの良いメロディーが
あって、そのインパクトのために、こちらの指の動きが多少ブレても、ある程度音楽になって
るように聞こえたりするのですが、
今回の曲では、丁寧に出来て初めて音楽に聞こえる、という感じだったと思います。
逆に言えば、丁寧に出来なければすぐ崩れる怖さ、があるということでした。

そして、見た目、音階だったりアルペジオだったり、こんなに素直な旋律で、単純な音の組み合わせなのに、
こんなに美しい音楽を作るモーツァルトはすごい、そして難しい曲だと、思いました。
練習していくうちに、練習するほど曲の難しさに気付いて、同時に自分の下手さに気付いて、と、今回はなかなか精神的に厳しい練習でした・・・

自分の演奏を見つめ直す良い機会になったと思います、ホント。

得た部分をまだ書いていないですが、
練習しながら気付いたこと、考えたこと、そういうものがたくさんあって、
どれも細かくて小さな体験なので書ききれないのですが、
でもその小さい体験の積み重ねがだんだん実っていくものなのだなあ、
と実感し、練習の大切さを身にしみて感じたことが得たことの一つでした。

そして、そういういろいろな事に気付けたのは、クラリネットの先生のレッスンが
あってこそでした。
先生には、失敗の原因や、練習方法、表現の仕方など、いろいろ教えてもらって、
本当に実になりました。独りよがりの練習にならずに済んだのも感謝です。
不思議なことに、ここ苦手なんだよなー、と思いつつ一人で演奏すると出来ない
けれど、先生が二言三言アドバイスして、一緒に吹いてみると、出来るんです。
レッスンが終わるたびに、この感覚を自己練でも忘れないようにしよう、
と思うのですが、次の週に行くとまたちょっと前の状態に戻っていて、
また先生に調整してもらって、という感じでした。

それで、実際の演奏会ですが・・・
正直、本番の自分の出来は、練習の6割、甘めで7割くらいかな、という感じでした。
どうしても、本番直前まで不安を消しきれない部分があり、
それが本番前の余計な緊張と、1曲の演奏全体に響いてしまったこと、
またリハーサルが今までになく上手くいったので、集中が緩んだこと?
などがあり、
気持ちの持って行き方、集中の仕方としては、丁度良いポイントを本番に持ってくることが出来ませんでした。
実は、リハーサルの方が自分としては納得できる出来で、お客さんが来ていないのに、
その集中はもったいないよ、っていう感じだったんですよね・・・(苦笑)

いや、あまりにもホールの音響が良すぎて、楽器から出てくる音が気持ちよくて、
リハーサルから気持ちが入っちゃったっていうのが正直なところです。
本番でも同じように吹きたかった・・・

それでも、練習で出来るようになっていた所は、練習の成果として出せたと思います。
本番でもきれいな音で吹きたい、と思っていたところは、きれいな音を出せましたし。
実際、総合的に見て、全楽章通した今までの練習の中で、(他パートとのアンサンブルも含め)リハーサルの次くらいに安定した演奏は出来たと思います。
そういう意味では、成功でした。

ただ、緊張や集中不足のために思わぬリードミスも結構したので、それはもうお客さま、出演者の皆さんにはお詫びしたい気分です。リードミスも、本当はきちんとお腹や口を作っていれば緊張で出ちゃうなんてことは無いはずなんですが・・・

だから、リードミスと、練習の成果、それから気持ちの入り方を総合評価すると、できると思っていた演奏の6割、っていう評価になります。

でも、6割っていうのが、やっぱり自分の本当の実力なんでしょうね。
演奏会終了の打ち上げ後、出演者のFLのWさんともそういう話をしたのですが、
練習以上の実力を本番で出すことは出来ないし、
練習で確実に100%出来ないと、本番でも100%出来るはずがありません。
気持ちとか集中力とかよりも、練習の状態がそのまま出た、ということでしょう。

・・・確かに、今までの練習の成功・失敗率を思い返せば、妥当な結果だったかなと思います。
また、今回失敗(リードミス)したのは、苦手な所というよりむしろ失敗しないだろうと思って
練習回数が少なめだった所でしたし・・・

そう考えると、詰めの甘さが見えてきたり、とまた反省点が多々出てくるのですが、
演奏会が終わったからには、また精進するのみ!です。
演奏会が終わってはじめて見えてくるものもいろいろありました。(苦笑)


・・・長くなりましたが、
今回、クラリネット五重奏という曲をやらせていただいて、本当に感謝しています。
メインでソロを吹かせていただけるなんて、
出演者の皆様には博打のような?選択だったのでは無いかと思いますし、
そこはもう恐縮しきり&大感謝なのですが、
おかげで大変だった分、見えてくるもの、得るものもたくさんありました。
また、クラリネットだけではなくて、どのパートの難易度も半端じゃない曲でしたね・・・。
でも、他パートの皆様のアンサンブルのおかげで、気持ちよく吹くことができました。
だから、自分にとっては、練習していた時間も含め、宝物のような演奏会になったと思っています。
そして、次の演奏会では、もっと練習して、もっと安定した演奏ができるようになっていたいと思います。

また、今回聞きに来ると言ってくださった方々の存在も、
非常に練習&本番の励みになりましたので、
ご来場くださった方々にも改めてお礼申し上げます。
聞きに来て下さると、やはり気合の入り方が違います。
とても嬉しかったです。

以上です。これでレポート終わりです。
本当はもっといろいろ書きたいことがあるんですが、
もう十分長いし、くどくなるので(笑)
さすがにこれだけ書くと、すっきりしました。

ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
またがんばりますので、よろしくお願いします!

投稿者 konkiti : 2006年05月05日 23:50
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